バレンタイン

愛、人を思いながら贈り物を選ぶ。昨年のバレンタインは送る相手がいなかった。自分用にチョコレートを買ったような気もする。その前は恋人がいた。ホワイトチョコのザッハトルテを渡したような気がする。マーマレードジャム。ドライフルーツのオレンジ。その前は確か恋人がいなかった。もう、何歳の頃に恋人がいて、何を渡したかを覚えていない。だけど今年はバレンタインに恋人がいるようで、ここ数週間は悩んでいる。皆目見当がつかない。28歳の男性は何が好きなのか。チョコ、これは渡す。至極当たり前かのように。買った方が美味しいのはわかりきっている。これはどこで買うとする。お酒を一緒に買いたい。ウイスキー、スコッチかバーボンか。スコッチの方が好みだけど何せ会う日までに間に合いそうにない。クラフトビール、6本だと少し重たい。4本、おそらくこれくらいだろう。何かしらの賞を受賞しているらしい。黒ビールもある。あぁ私は好みではないけれどチョコにはこれくらいのコクのあるビールが合うのかもしれない。お酒はこれでいい。あとはバスソルト。ただのバスソルトでは多分肌に合わない。恋人の肌が好きだったな、私は恋人の体温が好きだった。エプソムソルト(硫酸マグネシウム)これは私の好きなものでは重たすぎる、物理的に。もう少し軽いものがいいがあまりない。合わなかった場合にゴミになってしまうのは申し訳ないので1番小さい1kgの物を買う。ラベンダー。トイレの香りはよくラベンダーにする。入浴の最中にラベンダーの香りがすると私はトイレに行きたくなるのだろうか。否。後もう一つ何か渡したい。Diorのリップクリーム、名前を入れて渡したかったけれど間に合わない。これが本命。chanelのリップクリーム、持っているだけでテンション上がる。間に合わない。THREEのリップと歯磨き粉。これはどうしてこの2つをセットにしたかわからない。SHIROのハンド美容液とハンドジェル。香りは好みがあるから冒険しにくい。だけどこれがいい。あとはTHREE×FIVEISMのギフトセット。ハンドクリームとハンドソープ。これにする。ギフト包装をしてもらう。ビールは明日届くらしい。だが他のものはきちんと金曜までに届くのか不安になる。手紙を一緒に渡そう、Fもそう言っていた。下書きをする。読み返しては直す。紙に書き起こしてみる。また直す。手紙さえも小説のようになってしまったが仕方ない。これを書いて渡そうと思う。好きな人。恋人。眠たさを我慢して少し起きておく。瞬きの間に夢を見る。こういう感情を好きというのかもしれない。愛。